安田造園 の 2008 6月 20 とは
ブログ -職人の思い-

日別アーカイブ: 2008年6月20日

職人の宝物

今日は雨が降らないのかな~と思っていましたが、午後3時過ぎから大阪茨木では豪雨、外で仕事をしている職人さんは大変だったのでは・・・

今日はお昼から、数日前に修理及び研ぎに出していた両手鋏を取りに行ってきました。普段から手入れはしていますが、1年に一度は本職の研ぎやさんに出しています。

この両手鋏は20年以上前に購入した一流の両手鋏です、当時の値段で3万5千円しました。今では物価の高騰もあり、まったく同じ両手鋏がなんと4万7千円もします。値段にはびっくりしますが、さすが一流の鋏です。

使い始めて20年以上にもなると言うのに、刃こぼれは一切ありません、1年365日の内300日は活躍していると思います。ま~その間鋏は強いのですが、柄の部分と鋏の軸になる部分を何度か補強取替えしました、鋏事態は20年たってもなんともありません。

大阪の池田にあります某刃物屋さんにはなんと10万円の値札が付いている両手鋏があります。お店の店主に聞くところによると、その鋏を作っていた鋏職人さんは、お歳も取られていたと言う事ですが、病気で亡くなられたそうです。後継者はいないそうです、ほんとに残念です。

私たち植木屋の世界でも後継者不足に頭を痛めています、私たちの業界では一人前の職人になるには3年以上・・・石の上にも3年と言いますが、今の若い方は辛抱が足らないかな~と思います、3年とは言っても植木屋の仕事は一生学ぶ事ばかりで日々が勉強です、

私は個人的に思うのですが、たとえば松の木を1本手入れするのにも立派な松の木に仕立てるのに10年はかかります。1本の松の木を毎年同じ職人さんが手を入れないと意味がありません、植木は1本1本すべての木が違うからです、毎年同じ職人さんが同じ松の木を手入れしない事には技術を身に付ける事は出来ないと思います。

本題になりましたが、何十年経ってもいいものはいいですね。何度かホームセンターで両手鋏を購入して使った事がありますが、安物買いの銭失いとはよく言ったもんです、いい鋏は職人の誇りです。これからもず~と使い続けていこうと思っています。

ところで明日も雨になるのかな~~ 鬱陶しいですね。